才能のない「ボクの生きる道」

 20歳の時に
「名大では京大や東大に負ける。せめて英語だけでもトップクラスにしよう」
 と思った。ECCに通い、リンガホンを買い、大学の語学センターに出席し、NHKの講座を見た。しかし、身につかない。それで、社会人になってからお金を貯めてアメリカに行った。帰国後、ネイティブの助けを借りて1級の過去問を5周した。合格したのは30歳だった。10年かかった。
 塾生の子が
「高校生になってもお願いします。できたら、数学も」
 それで、高校数学の講師を募集したけれど応募ゼロ。ここは過疎地なんです。それで、自分で勉強した。オリジナル3周。チェック&リピート3周。1対1は5周。京大の25年も3周。これだけで10年かかった。才能がないボクは塾生の子の3倍以上の練習を繰り返すしかない。それが「ボクの生きる道」。