39通の合格・不合格通知

39通の合格・不合格通

 書店に行くと「私はこうして東大に合格した」といった類のハウツウ本が売られている。和田秀樹さんのようなスゴイ人が書いていることが多い。私のような凡人には役立たない。かと思うと最近近くに「イシン塾」というのができた。近所の大規模塾にはコンシェルジュがいてハイブリッド授業を行っているそうだ。恥ずかしい。
 私の経験では、そんなノウハウ本を読んで雑種授業を受けても難関校への合格はムリ。私の指導した三重大医学部の合格者や京大薬学部の合格者は悪戦苦闘、四苦八苦の末に合格していった。趣味を諦め、クラブもやめ、恋愛もガマンし、
「浪人は絶対にムリ。こんな生活もう1年なんて気が狂う!」
 という状態でした。私自身も名古屋大学に合格するため、ノイローゼで受験直前に緊急入院でした(医師の診断。頭は正常。身体がおかしくなった)。英語の資格試験を受けた時もラクラク合格なんてカッコイイものではなかった。手元に大量の合格・不合格通知がある。現実はこんなものです。
 「偏差値10点アップ」というキャッチコピーの塾は多い。しかし、私の経験では偏差値が10点アップするのは予備校や塾に通い始めた子の1割もいない。あとの9割の子には申し訳ないからこんな嘘は書けないし言えない。
「―――で困っているんですか?それなら、○○○のようにすればいいですよ」
 なんて軽いネット相談を見ると
「ふざけるんじゃねぇ!!受験をなめてんのか!!!」
 と叫びたくなる。ふざけた奴に殺意を感じる(笑)。京大を志望する方たちは賢いので、こんな甘言に騙されるわけがない。