良い塾と悪い塾の見分け方

良い塾と悪い塾の見分け方

 東京に行くと目も眩むような高層ビルがありますよね。でも、ここ「いなべ市」にはありません。人口が5万に満たないから当たり前。実は塾も同じなんですよ。私のいた名古屋の大規模塾には40人の講師がいましたが、東大や京大クラスの生徒を指導できるのは私を含めて2人だけ。だから、いつも本部にいて支部教室はイマイチ先生。
 三重県でも事情は同じで、公立最高は人口が三重県最高の四日市にある四日市高校。ここは、上位の20名から30名が東大や京大に合格する。だから、三重県教育委員会も高層ビル級の先生を配置するはず。でも、イマイチの高校にはブレハブ教師でも間に合う。それが現実です。
 この下のデータをご覧ください。これを見ると、桑名市の2校は上位の15%ほどが四日市高校に合格できるのに、いなべ市の中学校は上位の3%ほど。5分の1。5倍の格差が生まれたら、同じ公立中学校なので「なんで?」という疑問が生まれる。でも、もう理由は分かるでしょう?当たり前なんです。
 当然、塾に行って遅れを取り戻そうとする。でも、もし塾が学校と同じように無差別に生徒を受け入れたら第二の学校になるだけで下のデータの惨状が繰り返されるだけ。せめて、「先生」「生徒」「教材」のチェックは必要です。
 まず、先生。たとえば、メジャーに行きたい人はイチローとか松井のコーチを受けたいはず。草野球の先生が「メジャーのレベルはな・・・」と言っても説得力ゼロ。同じように、四日市高校を落ちて海星に行った先生が「四日市高校のレベルはな・・・」と言ってもダメ。学校の先生には聞きづらくとも、塾の先生には「どちらを卒業されたのですか?」と尋ねるべき。
 次に、生徒。一人でもモヒカン少年や金髪少女が混じると、それらの生徒が分かるレベルの話しかできない。実際の入試は、学年トップの子でも100点を取れないレベルなのに、全然準備になりません。だから、塾は誰でも受け入れるわけにはいかない。そういう塾ではダメなんです。
 そして、教材。ダメ生徒が混じると
「わかった!!」「できる!」
 と言わせるために、とんでもなく低いレベルの問題をやらされる。素行だけでなく、一定の学力以下の子を受け入れるわけにはいかない。そんなことをすると、大多数の子が困る。学校と違って塾はそういう場所なんです。
 簡単に見分けたければ、教室を見せてもらえばいい。うちの塾は図書館みたいに参考書や問題集が教室に置いてありますが、ヒドイ塾はスッカラカン。盗まれる、破られる、落書きされるので、教室に何も置けない。
 このポリシーは追い出されたり、入塾を断られた人のウラミをかう。しかし、今年の当塾の四日市高校の合格者は2教室の小さな個人塾なのに「6名」。いなべ市の4中学校の2校分です。分かる人には分かってもらえる。
 良い塾を作るためには、経営者側も反発されてもひるまぬ強い意志が必要です。京都大学を志願するくらいの人なら、周囲の反感を恐れず進むだけの気概が必要です。分かる人はきっと支持してくれるものです。