「学校群制度」と「ゆとり教育」

学校群制度」と「ゆとり教育」の教訓
 三重県では1974年から1994年まで20年間「学校群制度」を導入していました。覚えてみえるでしょうか?当時は校内暴力など校内が荒廃する原因が学力格差にあるとして、学校間の学力平準化が図られた。エリート校と見られていた四日市高校や津高校が目の敵にされた。
 その結果、四日市高校は四日市南校と組まされⅠ群とされ、津高校は津西校と組まされⅡ群とされた。生徒の立場から見ると
「Ⅰ群を受けると勝手に振り分けられる。通学の厳しい南高にされたら困る!」
 ということになった。その結果、目立たないので群にされなかった桑名高校の通学が便利ということになり「いなべ」「桑名」地区の子は桑名高校に行くようになった。
 10年も経たないうちに四日市高校のレベルは落ち、桑名高校のレベルが上がり同レベルになった。これで、めでたし、めでたしでしょうか?そうはならなかった。
 賢い子たちはボロボロになった公立を避けて私立高校に向かった。私立高校が6年制などエリートコースを作って高学力の子たちを吸収した。すると、人々はまた騒ぎだした。
「私立にやれる金持ちだけがいい思いをしている!」
 結局、1995年に群は解体された。そして、格差を無くそうとすると全員のレベルが下がる。高学力の子たちは、自分にふさわしい場所を求めて逃げてしまう。そういう教訓を得たはずだった。
 ところが、今度は教育委員会ではなくて文部大臣や文部省の官僚が(文科省は2001年から)1996年から「ゆとり教育」を始めてしまった。教科内容が3割削減、絶対評価の通知表、週休2日制がはじまった。
 何も学んでいない。塾にも教育委員会から土曜日の授業の自粛のお願いが郵送されてきた。もちろん、無視。当塾では指導内容を下げずに土曜日も日曜日も授業を続けてきた。
 そして、2008年の指導要領では転換がハッキリ示された。学力低下が甚だしかったから。国際学力比較を見たら一目瞭然。12年も無駄にしてしまった。
 塾業界もおかしい。正しい道は「学力に応じた指導」しかないはず。なのに、誰でも歓迎という塾が多い。そして、絶対に無理なのに一発逆転のような耳に入りやすいキャッチコピーをばらまく。
 塾には「学力上位の子のための塾」と「学校についていけない子のための塾」の2種類しかないのに。