モルモン ２

モルモン（２）
　ユタ州のプロボという町にはＢＹＵ（ブリンガム・ヤング大学）という大学がある。そこの物理学教授の家庭に１ヶ月お世話になった。行く前のアメリカのイメージは「銃社会」。ハリウッド映画の影響で「怖い」という感じ。
　ところが、プロボという町は日本の町以上に平和で、安全で、規律正しい町だった。たぶん、今もそうだと思うが全米一「学歴の高い人の比率が高く」「平均所得が高く」「平均寿命が高く」「犯罪発生率が低い」州。
　その理由は明らかにモルモン教会のせいだ。末日生徒イエス・キリスト教会の人たちが西部に逃れてきて作った州だ。彼らは、タバコ・酒・淫行は禁止。勤勉に働くことを奨励し、教育を重んじていた。
　私は少林寺拳法を好む、保守的な人間だ。日本の伝統を重んじる人間だ。驚くほど、彼らと価値観が一致し快適な生活だった。それが、６年後に教師研修先としてユタ州を選んだ理由だ。
「どうして物理学の教授がキリスト教という証拠のない教えを信じるのか」
　疑問は解決しないと気分が悪い。日本では、宗教を信じる人は「変な人」だけと思いませんか？
　それに、信教の自由とは宗教のことを語らないと誤解している人が多すぎる。

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