塾は生徒に「分かった!」と言わせてはいけない。

塾は生徒に「分かった!」と言わせてはいけない。
 今日はこのデータについてお話させてもらいます。橙色のグラフは大きく落ち込んでいますが、これは公立高校全体の「東大」合格者数。緑のアップしているのが、私立高校全体の「東大」合格者数。下を這っているのが国立高専などです。
 ここ、順位が入れ替わったのが1980年代の終わりの頃。1990年は「ゆとり教育」が始まった年。荒れる中学生の原因が全て「余りに酷い詰め込み」のせいとされ、教科内容を3割削減し、週休2日となり、通指標は絶対評価に変わり、偏差値追放、手をつないでゴールする運動会が始まった頃。
 これは、偶然の一致ではありません。
賢い親と生徒は
「こんな指導を受けていたら絶対に難関校に合格できる筈がない!!」
 と公立中学校から逃げ出した。家庭に経済的余裕がないか、近所に良い私立中学校がない地域は選択の余地がないので塾とか補助機関に頼り始めた。
 あれから、20年。やっと、「ゆとり教育」の見直しが始まりました。
東京都の石原都知事は「都立高校の復権」に尽力されています。
大阪の橋本市長は「クソ教育委員会!」と、やや下品ながらも現状打破に向けて尽力されています。
「失われた20年」と言われる不況の中で、教育に力を入れないといけないのに、
「やった!休みが一日増えた」「おお、どんどん解ける!」「見て、オール5!」
 と生徒たちに間違ったメッセージを送ってしまいました。スカスカの教科書でどんどん解けても、全員5もありえる通知表でオール5をとっても、何の意味もありません。
 当塾では「ゆとり教育」の時代も、コンピューターの打ち出す偏差値や順位は発表していたし、教育委員会から土曜日は開講しないように要請が来たけれど開講し続けました。間違った方針に従うわけにはいかないからです。
 お蔭様で一部の方から反発を受けても、成績上位の方たちから圧倒的な支持を受けて今年(2012年)の四日市高校合格者は6名(国際科2名)。いなべの中学校2校分の合格者でした。
 生徒の学力を上げて、難関校に合格させるためには生徒の方に
「分かった!」
 を連発させて喜ばせるだけではダメなんです。難しい問題にチャレンジさせて悩ませないとダメなんです。そこを分かってもらえる方だけに勝利の女神が微笑む。